「ダ・ヴィンチ・コード」が、美術とキリスト教に関わる物語だとすれば、この「天使と悪魔」は、科学(物理学)とキリスト教にまつわる物語です。
といっても、この「天使と悪魔」では、「ダ・ヴィンチ・コード」のように科学に関する薀蓄(うんちく)を読めるわけではありません。
しかしながら、往年のヒッチコックのサスペンス映画のように、愛し合う二人が愛を交わしたいのに次々サスペンスに見舞われて・・・という面白さは、ありました。
「ダ・ヴィンチ・コード」でキリスト教にまつわる秘密みたいなものが面白かったという人にも、ローマ教皇選出の秘密が、事細かに書かれているので面白いのではないでしょうか。
<ストーリー紹介>
深夜、ラングドンが寝ているところに、スイスのセルンの研究所の所長から電話が掛かってきた。
セルンの研究所とは、莫大な予算のもと、非常に優秀な研究者が集まっているという。
そして、その中でもとびっきり優秀な研究者レオナルド・ヴェトラが、胸にイルミナティの文字の焼印を押されて殺害されたという。
「イルミナティ」とは、ラングドンによると中世、宗教によって迫害された科学者たちが創設したシンクタンクだそうだ。
その組織の和は、ヨーロッパ全土に及ぶようになり、世界じゅうに影響力を及ぼすようになったという。
一番の尊敬を集めていた会員は、ガリレオ・ガリレイだという。
しかし、イルミナティは、ラングドンによると何十年も前に消滅したというのだ。
天使と悪魔(上)
ダン ブラウン, 越前 敏弥
注)購入を検討の方は画像をクリックしてください!
この殺人事件のことを知らされ、生物学のマグロの調査をしていたというレオナルド・ヴェトラの養子の娘、生物物理学者でもあるヴィットリア・ヴェトラによると、父親、レオナルド・ヴェトラは、“反物質”を創り出すことに成功したという。
“反物質”とは、通常とは逆の電荷を帯びた粒子で人類にとっての最強のエネルギー源だという。
そして、レオナルド・ヴェトラの研究室を詳しく調べると、あろうことか、その“反物質”が何物かに盗まれていた・・・
そこに、コーラー所長にローマから緊急電話が・・・
なんとヴァチカンのどこかに、“反物質”らしきものが見つかったという。
それが、本当だと“反物質”が空気に触れて爆発すると、とんでもないことになってしまう。
持病の喘息の発作にみまわれたコーラー所長を置いて、ラングドンとヴィットリア・ヴェトラは、ヴァチカンに急ぐ。
おりしも、ヴァチカンでは新ローマ教皇選挙会の当日だった・・・
<感想>
科学、特に物理学を深く学べば学ぶほど、そこに神の意思というか偉大で美しい自然の力を感じずにはなりません。
なぜにこんな単純な式で世界を説明しできるのだろうか?物理学者は、誰かが設計(デザイン)した世界の法則を発見し、その法則によって世界を説明しているのに過ぎないかと。
皆さんも、有名なりんごが落ちるという現象から発見されたという万有引力の法則が、りんごだけでなく惑星の運動、宇宙まで支配していることを不思議に感じたことはありませんか?
しかし、科学の歴史とは地動説にしろ進化論にしろ、当時をおおっていた宗教(教会)の考えや常識への闘いの歴史といえるだろう。
したがって、そのキリスト教と科学の密接な関係について「ダ・ヴィンチ・コード」のようにペタンティックな知識がこの「天使と悪魔」においては披露されていないのは非常に残念です。
ストーリーを見てもらえれば分かるように、印章をまとった死体のためにラングドンが呼び出され、若い女の子とともにラングドンの象徴学の博学な知識によって事件を解決していくという物語の構図は、「ダ・ヴィンチ・コード」と同じです。
また、ラスト近く、ある人物が真犯人だと匂わせといて実は真犯人は別の人物という構図も。
ダン・ブラウン氏は、ラングドンのシリーズの3作目を執筆中だというが、3作目は同じ構図は通用しないだろう。
それから、この「天使と悪魔」ですが、ラングドンが優秀な科学者の集団“イルミナティ”は、厳格な法則にのとって犯罪を犯すはずだという推理のもと事件を解き明かしていくのですが、最後に明らかになった真犯人では、そういう犯罪は無理ではないだろうかと疑念を持ちました。
「イルミナティ」という組織が本当に歴史上に実在していたのだろうかと疑問をお持ちの方は、こちらの書籍をお勧めします。
天使と悪魔の「真実」
ダン バースタイン, アーン・デ カイザー, Dan Burstein, Arne de Keijier, 沖田 樹梨亜
この「天使と悪魔」も「ダ・ヴィンチ・コード」と同様、映画化が決まっているようですが、「ダ・ヴィンチ・コード」でもキリスト教徒たちに「宗教への冒涜だ。」という大きな批判がありましたが、「天使と悪魔」を大幅に変更を加えない限り、この「天使と悪魔」に忠実に製作するのは不可能なのではないかと思います。
どの辺が不可能かということは、皆自身がこの「天使と悪魔」を手にとって確かめてください。
この「天使と悪魔」は、「ダ・ヴィンチ・コード」のようなキリスト教への深い知識を得たいと考えない限り、サスペンスとして充分楽しめ、読んで損をするような作品ではありません。
人気ブログランキングに参加しています!
ブログを続ける励みのためにも、下記バーナーをクリックしてもらえるとありがたいです。
ネットで購入の方は
《ネットで注文、書店で受け取り》
全国書店ネットワークe-hon
毎日新聞書評コーナー
オンライン書店 boople.comは、送料完全無料!
|
☆★楽天カード新規入会キャンペーン★☆
「楽天カードでポイント生活はじめよう!」
中古本を購入の方は
まとめて購入するなら送料一括の古本市場(ユーブック)がお得です!
書籍をコンビニで受け取りたい方は
セブン-イレブン受取りなら送料・手数料0円で24時間365日お受け取りいただけます。セブンアンドワイ
書籍50万タイトル e-ministop.com
1500円以上で送料無料!クロネコヤマトのブックサービス
パソコン上で書籍を読みたい人は
新作・名作・話題作の電子書籍が3千冊以上。『ウェブの書斎』はスグ読める
楽天ダウンロードは楽天直営の総合ダウンロード販売サイト。「PCソフト」「PCゲーム」「電子書籍(書籍、コミック、写真集)」のほか、「音楽・楽譜」「映画」などのエンタメコンテンツをダウンロード販売。楽天会員にはポイントが付与されます。
楽天ダウンロードはこちら
小説・マンガ・写真集!電子書店パピレスで、本をパソコンにダウンロード!
国内最大のマンガ(電子書籍)販売サイト!
沢山ある本を売りたい方は
送料無料でご自宅まで集荷いたします。eBOOKOFFのらくらく買取サービス!
眠っている本ありませんか?ライブドアがご自宅まで買取りに伺います。
がばい-佐賀のがばいばあちゃん 2 島田 洋七 (著), 石川 サブロウ (著)
広島から佐賀のばあちゃんの元へ預けられて早二年。ばあちゃんが提唱する明るい貧乏生活にも慣れ、スクスクと育っている昭広ですが、やはり、恋しいのは、広島のかあちゃんです。昭和30年代を舞台に、天才漫才師・島田洋七が綴った自伝的小説のコミックス化第二弾!
ダ・ヴィンチ・コード
イエスを神とし、それを権力に利用する人々に対する皮肉を込めた映画・・かな?