[ 読書レビュー ] 『平成デモクラシー史』 丸山真男の言う政治報道では多分ないが、平成期の政治ドラマが、よく描かれており、読み応えあり。

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丸山真男が、日本のジャーナリズムには、政局報道はあって、政治報道はないと喝破されているが、
新聞によっては、どの政治家とどの政治家が、会食して、どーのこーのと批評、評論をベースにしない、実につまらない記事に遭遇する事がある。

著者は、新聞記者であったようだ。

この『平成デモクラシー史』は、新書ではあるが、アカデミックや学問的とは少し違った、政治の読み物として面白い本となっている。
幾ばくかの分析も加えられている。

官僚主導から政治家による政治主導の政治へのチャレンジを基調に、与野党の共通の基盤のシステム構築の様子を統一感がある感じで、政治家の肉声を交え、つまらない政局報道とは画した形で、平成の政治権力を巡る人間ドラマが、読みやすい形で提供されている。
なので、橋本龍太郎首相から現在までの政治を、「政治改革」をキーワードに、おさらいできます。
非常に大分であるが、スラスラ読めます。

平成デモクラシー史 (ちくま新書)

概要





メディア掲載レビューほか
安倍一強を生みだした平成の「政治改革」の本質とは

平成デモクラシー――冷戦が終結し、万年野党であった社会党が、自民党と対峙してパイの分捕り合戦をしていた時代が終わる。自民党が自ら打ち出した小選挙区制の導入を初めとする政治改革が、時を経ていまの安倍一強政治といわれる状況を生み出している。

果たして、それは政治改革に過剰適応してしまった結果なのか、それとも何らかの改革が不足していたからなのか、と著者は問う。

本書は、議院内閣制という表向きの枠組みの裏で成立していた「密教」、つまり弱い内閣をバイパスして結び付いた与党と官庁の間で政策が決まっていく図式が壊れる過程を、海部内閣から現在に至るまで詳細に追いかけている。

梶山静六元自民党幹事長初め、政治改革は小選挙区制の導入に矮小化されたとする政治エリートが少なくないという。しかし、著者が圧倒的な取材力と筆力で語るように、実は小選挙区制の導入こそ日本政治の根源的な変化をビルトインする威力を持つものだった。

なぜそのような政治改革の動きが自民党内から出てきたのか。本書は、リクルート事件の激震から経緯を説き起こす。そして、小沢派vs反小沢派といった政治の権力闘争が、「改革」という言葉で語られたことを指摘する。その通りだ。

だからこそ、当初小選挙区制の導入に大反対していた小泉純一郎氏は、政権に就くと改革の果実を一挙に活用しだしたのだ。人事権と解散権を手中にした首相には権力が集中していく。





政治改革が権力闘争であったという事実は、当時の改革に向けた政治家の熱量を理解するうえでも重要な点だ。小泉政権の最大の功績である郵政改革も、実際には党内の派閥抗争のエネルギーによって推進されたことは多くの人が指摘する通りである。

ただ、それだけの情念を反映して実現した「強い首相」が、政権交代の想定なしに続くとどうなるのか。本書は悩ましい問いを我々に突きつける。

評者:三浦瑠璃

(週刊文春 2018年3月15日号掲載)

内容紹介

90年代の統治改革が政治の風景をがらりと変えた。
「小泉劇場」から民主党政権を経て「安倍一強」へ。
激動の30年を俯瞰し、「平成デモクラシー」の航跡を描く

目次

序 「平成デモクラシー」とは
第1章 「強すぎる首相」の岐路
第2章 政治改革と小沢一郎
第3章 橋本行革の光と影
第4章 小泉純一郎の革命
第5章 ポスト小泉三代の迷走
第6章 民主党政権の実験と挫折
第7章 再登板・安倍晋三の執念

読書レビュー

この本を読んで理解した事は、政権交代を推し進める小選挙区制による選挙制度は、もはや不可避であるということと。
比例区と小選挙区との配分も、概ね妥当だということだ。

そして、僕は、郵政民営化の一点張りでの政策選択選挙は支持しないのだが、覚悟の決め方、やると言ったら、どうやってもやる意思の強さ、時に見せる非情さ、小泉純一郎元首相は、立派な政治家のプロだという事が、よく理解できる。





ここ30年の日本政治をおさらいしたい人にオススメです。

一選挙民として、やはり、政権交代があると、政治のダイナニズムを感じることは確かだ。

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