[ 読書感想 ] 志賀直哉 [ちくま日本文学] 〜僕の生まれた頃のような日本の原風景が広がる。〜


 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

志賀直哉

1883‐1971。宮城県石巻の生まれ。学習院より東大英文科に進んだが、このころから小説家を志し、「或る朝」「網走まで」などを書く。
雑誌「白樺」に参加。父親との確執により家を出て尾道、松江、奈良などを転々とした。その間のことは「暗夜行路」「和解」にくわしい。
以後は短篇が主で、「赤西蛎太」「城の崎にて」「剃刀」「小僧の神様」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





志賀直哉 [ちくま日本文学021]





感想

志賀直哉を一言で言うと、健康的な文章を書く健康的な作家だ。
例えば、芥川龍之介を読む読者と志賀直哉を読む読者を想像してみるといい。
後年の近代人の心理的葛藤をテーマとした夏目漱石から続く近代日本文学の流れよりも、西鶴などの物語る文章からの流れを感じる。





網野善彦氏は、80年代を境として、応仁の乱から続くような日本の風景は、失われて行っていると語っていた。
僕が子供の頃、手付かずの自然が存在した。
ここには、長屋の人情も含め、そんな素朴な日本の風景が見える。

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