[ 書評 ネタバレ注意 ] ガブリエル・ガルシア=マルケス著『予告された殺人の記録』〜映画的構成の面白さ


 

文学者も含め、改めて文学におけるストーリーの面白さを再認識させた『百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)』で有名なガブリエル・ガルシア=マルケスの『予告された殺人の記録』を読んでみた・

恐らく、購入の動機は、同名の映画によるものか、タイトル自体の面白さによるもので、ずっと積ん読本にあったものだ。

訳者あとがきを見ると、モデルとなった実際の事件が存在し、ガブリエル・ガルシア=マルケスの家族も関わっているそうだ。

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

<物語>





共同体の崩壊、古い時代の終焉、怨嗟、愛憎……、事項が重なり合って悲劇は起こる――。
大ベストセラー『百年の孤独』の著者の、もうひとつの代表作。

町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた、幻想とも見紛う殺人事件。
凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。

ガブリエル・ガルシア=マルケス Marquez, Gabriel Garcia(1927-2014)

コロンビアの小さな町アラカタカに生まれる。
ボゴタ大学法学部中退。

自由派の新聞「エル・エスペクタドル」の記者となり、1955年初めてヨーロッパを訪れ、ジュネーブ、ローマ、パリと各地を転々とする。
1955年処女作『落葉』を出版。1959 年、カストロ政権の機関紙の編集に携わり健筆をふるう。
1967年『百年の孤独』を発表、空前のベストセラーとなる。
以後『族長の秋』(1975年)、『予告された殺人の記録』(1981年)、『コレラの時代の愛』(1985年)、『迷宮の将軍』(1989年)、『十二の遍歴の物語』(1992年)、『愛その他の悪霊について』(1994年)など次々と意欲作を刊行。

1982年度ノーベル文学賞を受賞。

登場人物





わたし 物語の語り手

サンティアゴ・ナサール

バヤルド・サン・ロマン

アンヘラ・ビカリオ兄弟

アンヘラ・ビカリオ

<書評>

何かの映画のように、サンティアゴ・ナサールが殺される場面を様々な立場の街の人の見た視点から描いて行く。
そして、最後に彼が殺される場面を直接的に描き出す。
訳者あとがきによると、何人もの映画監督に影響を与えたという。
さもありなん。





彼が殺されるという噂は、街中で知られいたが、ほとんどの人は、それは冗談と捉え、相手にしなかった。
多くの人が知っているこの事件を、作者は、多くの人の証言から描き出すという文学的仕掛けを用い、描いている。

単なる1殺人事件ではあるが、物語の筋の面白さに満ちており、時間軸が同じ場面を違った角度から描写するという、緊張感があり、映画的でもあり、また、何処か童話のようにも感じさせる。

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