[ レビュー ] 仲正昌樹著『現代哲学の最前線』〜期待する内容ではなかったが、面白かった。〜


 

購入前、目次を見て、現代思想にも関係なさそうだし、好きな仲正昌樹氏の著作では、一旦、購入するのをやめておきた。
が、僕の読書生活に、ちょっとゆとりが出たので購入してみた。
購入したことに後悔はしていないが、当初のみつもりのように、僕が興味を持つ哲学の分野とは、やっぱり違っていた。

現代哲学の最前線 (NHK出版新書)

内容





哲学はいま何を問うているのか?
現代の哲学における最もホットな5つのテーマーー正義論、承認論、自然主義、心脳問題、新実在論の大きな議論の流れを、それぞれのテーマが浮上してきた歴史的・社会的背景とともに解説。

ロールズ、サンデルの正義論はいかなるインパクトがあったのか?
ウィトゲンシュタインやディヴィッドソンの功績とは?
マルクス・ガブリエルの新しい実在論はなぜ注目されるのか?

5つのテーマの核心を切り出し、哲学者がいま何に関心を持っているかを提示することで、読者の古くなった「哲学マップ」を塗り替える、21世紀の新しい哲学の見取り図。

仲正昌樹ーAmazon著者ページ

1963年生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。
金沢大学法学類教授。
専門は法哲学、政治思想史、ドイツ文学。

著書に『集中講義!日本の現代思想』『集中講義!アメリカ現代思想』(NHKブックス)『悪と全体主義』(NHK出版新書)『ヘーゲルを超えるヘーゲル』『今こそアーレントを読みなおす』(講談社現代新書)『マルクス入門講義』(作品社)など多数。

レビュー





読んでいて、これが哲学の話なのという違和感を感じた。
目次を見て見よう!

第1章 正義論
第2章 承認論
第3章 自然主義
第4章 心の哲学
第5章 新しい実在論

第1章に関しては、ロールズを巡る政治哲学の話のように思え、第2章の承認論に関しては、現代思想も出てきて哲学ぽいのだが、第3章は、心理学や科学哲学の話に思えるし、第4章も、心理学や認知科学の話に思える。

唯一、古い僕が、哲学らしいと感じたのは、マルクス・ガブリエルも登場する第5章の『新しい実在論』だ。

特に認知科学に関する項目は、まるでSFのような世界であった。





巻末に簡単な読書案内があるが、ある程度、哲学にも親しみ、少しだけフランス現代思想も勉強している僕が興味をそそられたのは、第5章の案内である、マルクス・ガブリエルの著書かモノへの考察である著作のみだった。

仲正昌樹氏が、この本で紹介している全ての著作に目を通していて、内容を把握しているのは全く驚嘆であるが、それぞれの章のテーマに則して、その哲学の歴史が、現代の最前線まで紹介されている。

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