[ 短評 ] 中上健次著『十九歳の地図・蛇淫 他』〜意外に繊細な作家であることがわかった。〜
その昔、自分でどういう理由であったか、忘れてしまったが、ヤフオクで小学館文庫の中上健次の全集である選集を全巻購入した。 中上健次といえば、当時、大江健三郎、村上春樹に次ぐ日本文学を代表するような作家であった…
読書、本の書評ブログ。
その昔、自分でどういう理由であったか、忘れてしまったが、ヤフオクで小学館文庫の中上健次の全集である選集を全巻購入した。 中上健次といえば、当時、大江健三郎、村上春樹に次ぐ日本文学を代表するような作家であった…
文学者も含め、改めて文学におけるストーリーの面白さを再認識させた『百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)』で有名なガブリエル・ガルシア=マルケスの『予告された殺人の記録』を読んでみ…
一体、何十年くらい積ん読本になっていたか、わからないが、世界近代文学読書案内の書籍まとめで紹介した木原武一氏の『要約世界文学全集1 (新潮文庫)』に魅力的に紹介されており、薄い本であったために、やっと手に取…
僕は、1968年生まれで、現在、52歳だが、リアルタイムで経験したオウム真理教事件は、相当ショックであった。 世間一般の人同様、理系の大学院まで行ったような高学歴な人間が、麻原のインチキくさい、似非科学に騙…
日本の現代文学の動向を知ろうとして、読んだ斎藤 美奈子著『日本の同時代小説』の中で、この『コンビニ人間』が紹介されていた。 また、新聞の文芸評論家が書いた記事で、この村田沙耶香 『コンビニ人間』を世界現代文…
ドストエフスキーは、好きな作家で、今まで、『罪と罰』、『白痴』などを、高校生時代や社会人になってから、僕の人生の中で別々の時代に読んでいる。 この記事は、『悪霊1』を読みながらメモしてきた事を中心に、ごく簡…
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 志賀直哉 1883‐1971。宮城県石巻の生まれ。学習院より東大英文科に進んだが、このころから小説家を志し、「或る朝」「網走まで」などを書く。 雑誌「白樺」に参加…
おすすめ 河出書房新社 [amazonjs asin=”4309709559″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=…
取っ付き難いと言われる大江健三郎氏だが、僕のミステリー以外の読書歴では、村上春樹と並んで、よく読んでいる作家である。 が、確かに取っ付きにくい。僕も、何となく、その世界に浸りたい時期と読むことすらできない状…
チャールズ・ディケンズと言えばイギリス文学を代表するだけではなく。世界文学を代表する作家である。 その自伝的色彩の強い『デイヴィッド・コッパフィールド』全4巻のうち第1巻を読み終えました。 自伝的色彩は強い…
「高瀬舟」を読んだ方々に共通して浮かぶ、この「高瀬舟」のテーマに尊厳死というものがあります。 「高瀬舟縁起」で、森鴎外はこう書いている。 此話は翁草(おきなぐさ)に出ている。私はこれを読んで、其中に二つの大…
僕が生まれたのが1968年。すでに日本社会は核家族化が進み、僕は、団地で家族4人の中で育った。 その昔、女性の社会進出をテーマに議論が進められていた時、反対派論者に「原始狩猟時代から人類は、女性が家を守り、男が狩りに出て…
1.はじめに 本記事は、角田光代さんの『森に眠る魚』の物語の背景となるお受験殺人と一般に呼ばれる文京区幼女殺人事件との関係、もっと普遍的に犯罪と小説との関係について『罪と罰〈1〉 (光文社古典新訳文庫)』を例に取り、書い…
1984年 (小説) – Wikipedia. このジョージ・オーウェル – Wikipedia.作の「一九八四年」は、大ベストセラーとなった村上春樹の「1Q84」の題名の下敷きにな…
“わたくしはこれまで、どこと云って自分のいて好い所と云うものがございませんでした。” 罪人である喜助の言葉 役人である庄兵衛は喜助がお上から貰った二百文の貯蓄をありがたがっているのを聞き、自分の身上と比べる…