「ミステリが読みたい!〈2010年版〉」の国内編ベスト10を発表いたします。
週刊文春や“このミス”こと「このミステリーがすごい!」と対象となる書籍の発刊日が異なるため、若干、週刊文春や「このミステリーがすごい!」のベスト10とは違った結果となっております。
またベスト1が、週刊文春、「このミステリーがすごい!」両者と違っているのも2009年の「ミステリが読みたい!」ベスト10の特徴でしょう。
1.『造花の蜜』 連城三紀彦 1390点
<ストーリー>
幼稚園から、息子が蜂に刺されて救急車で運ばれたとの連絡を受けた小川香奈子は、知人とともに搬送先の病院に向かった。こんな時期に蜂が……不審に思った香奈子は幼稚園へ引き返すが、息子はすでに誘拐された後だった。そして、さらに驚くべきことが香奈子を待ち受けていた。幼稚園の職員は、息子を連れ去ったのは、他でもない香奈子だというのだ。それは前代未聞の誘拐事件の幕開けにすぎなかった――。想像を絶する事件の真相と犯人とは!? 直木賞作家の最新ミステリーが遂に刊行。
2.『ダブル・ジョーカー』 柳広司 1272点
<ストーリー>
結城率いるD機関にライバル出現。その名も風機関。同じ組織にスペアはいらない。食うか、食われるか。「躊躇なく殺せ、潔く死ね」を徹底的に叩き込まれた風機関がD機関を追い落としにかかるが……。
3.『追想五断章』 米澤穂信 1181点
<ストーリー>
5つのリドルストーリーに秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受け5つのリドルストーリーを探し始める。実はその著者は生前「アントワープの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり……。著者新境地の本格ミステリ。
4.『黒百合』 多島斗志之 1086点
<ストーリー>
「六甲山に小さな別荘があるんだ。下の街とは気温が8度も違うから涼しく過ごせるよ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。一彦という名前だ」父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死――1952年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。才人が到達した瞠目の地平!
5.『新参者』 東野圭吾 1043点
<ストーリー>
もう、彼女は語れない。彼が伝える、その優しさを。悲しみを、喜びを。
日本橋の一角でひとり暮らしの女性が絞殺された。着任したての刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。
舞台は、日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの40代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が……」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
「こんなことが出来ればと思った。でも出来るとは思わなかった」――東野圭吾
6.『鷺と雪』 北村薫 892点
<ストーリー>
女子学習院に通う士族令嬢・花村英子と女性運転手〈ベッキーさん〉が活躍するシリーズも、第3弾。ついに完結です。昭和10年秋、廉価で操作が簡単なカメラ〈オリムピック〉が発売され、英子の級友たちもこぞって手に入れた。だが小松子爵家の千枝子が初めて撮影した写真の中に、日本にいるはずのない婚約者が写っていたという。英子はその謎を解決できるのか? そして年も明けた昭和11年の、ある雪の朝。英子は運命の電話をかけてしまう……。時の歯車が動くように、人はただその道を歩むのみ。切なくも劇的な、シリーズの幕切れです。(YB
7.『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信 832点
<ストーリー>
これぞ、究極のどんでん返し! あらゆる予想は、最後の最後で覆される。
ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至難の業でもある。本書は、その更に上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!
8.『鬼の跫音』 道尾秀介 796点
<ストーリー>
鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、初の連作短編集!
9.『粘膜蜥蜴』 飴村行 774点
<ストーリー>
東南アジアの密林に棲息するという爬虫人〈ヘルビノ〉とは? 戦時中の日本で起こる未曾有の凄惨な事件の数々。現代ホラーの最先端を走る著者の最新作!
10.『福家警部補の再訪』 大倉祟裕 733点
<ストーリー>
鑑識不在の状況下、警備会社社長に真っ向勝負を挑む「マックス号事件」、売れっ子脚本家が拉致監禁犯を射殺し生還するという自作自演のシナリオを書く「失われた灯」、斜陽の漫才コンビ解消、片翼飛行計画に待ったをかける「相棒」、フィギュア作りに絡む虚虚実実の駆け引きを制する「プロジェクトブルー」―― 以上4編を収録。『福家警部補の挨拶』に続く、倒叙形式の本格ミステリ第2集。解説=神命明
各ストーリーは、各出版社のHPより引用しています。
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