SF オールタイム・ベスト20 From SF 本の雑誌


 

SFには興味があるけど、どんな本が有名で、どんな本から読んだらいいか、と思っている人がいるのではないでしょうか?
僕もそんな一人です。

ここでは、本の雑誌が選ぶ「SFオールタイムベスト100」のうちのベスト20作品を紹介します。

ベスト100作品は、SF界隈では有名な、SF翻訳家、書評家である大森望さん、作家、批評家である鏡明さん、精神科医、書評家である風野春樹さんの3人の合議で決められたようです。
(2009年4月)

皆さんも、今回のベストから、興味を持ったものから手に取ってみればいかが?

1位 『万物理論』 グレッグ・イーガン (著), 山岸 真 (翻訳)

万物理論 (創元SF文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

すべての自然法則を包み込む単一の理論、“万物理論”が完成されようとしていた。
ただし学説は3種類。
3人の物理学者がそれぞれの“万物理論”を学会で発表するのだ。
正しい理論はそのうちひとつだけ。

映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが…
学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。

究極のハードSF。

2位 『ソラリス』 スタニスワフ・レム (著), 岩郷重力 (イラスト), 沼野充義 (翻訳)

ソラリス (ハヤカワ文庫SF)

内容紹介

惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。

惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。
彼らにいったい何が?
ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。

人間以外の理性との接触は可能か?
――知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。

レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

レム,スタニスワフ

1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現ウクライナ領)に生まれる。
クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に小説や詩を発表し始めた。
51年に第一長篇『金星応答なし』を発表。
深遠かつ巨視的なテーマの作品から、20世紀世界文学史上の巨人の一人に数えられる。
2006年死去

沼野/充義

1954年生、東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

3位 『マイナス・ゼロ』 広瀬 正 (著)

広瀬正・小説全集・1 マイナス・ゼロ (集英社文庫)

幻の名作が大きな活字で登場
戦時中に隣人と交わした約束。18年後にその約束を果たそうとして、主人公が見たものは?

日本語で書かれたタイムトラベル小説の最高峰といわれる名作が大きな活字で登場。(解説/星新一)

内容(「BOOK」データベースより)

1945年の東京。
空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。
そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。
時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?

失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

広瀬正

1924年東京生まれ。1972年没。

日大工学部卒業後、バンド「広瀬正とスカイトーンズ」を結成。
同バンド解散後、同人誌「宇宙塵」「SFM」誌などで活躍。
73年『鏡の国のアリス』で星雲賞受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

4位 『故郷から一〇〇〇〇光年』 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (著), 伊藤 典夫 (翻訳)

故郷から10000光年 (ハヤカワ文庫SF)

内容(「BOOK」データベースより)

粒子加速研究所の大惨事が、地球を壊滅させ、ひとりの男を時間の乱流へと押し流した。だが男の意志は強かった。
彼はおのれの足で失われた“故郷”へと歩いて帰るべく、遥かなる旅に出立したのだ―。

「故郷へ歩いた男」ほか、ティプトリーの華麗なるキャリアの出発点である「セールスマンの誕生」、最高傑作と名高い「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」など、全15篇を収録するSFファン待望の第一短篇集。

5位 『虚航船団』 筒井 康隆 (著)

虚航船団 (新潮文庫)

鼬族と文房具の戦闘による世界の終わり――。
宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ驚異の文学、鬼才が放つ、世紀末への戦慄のメッセージ。

内容(「BOOK」データベースより)

鼬族の惑星クォールの刑紀999年6月3日、国籍不明の2基の核弾頭ミサイルによって国際都市ククモが攻撃され、翌4日、無数の小型単座戦闘艇に乗ったオオカマキリを従えた文房具の殺戮部隊が天空から飛来した。
それはジャコウネコのスリカタ姉妹の大予言どおりの出来事だった―。

宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ超虚構の黙示録的世界。
鬼才が放つ世紀末への戦慄のメッセージ。

6位 『虎よ、虎よ!』 アルフレッド・ベスター (著), 寺田克也 (イラスト), 中田 耕治 (翻訳)

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)

“ジョウント”と呼ばれるテレポーテイションにより、世界は大きく変貌した。
一瞬のうちに、人びとが自由にどこへでも行けるようになったとき、それは富と窃盗、収奪と劫略、怖るべき惑星間戦争をもたらしたのだ!
この物情騒然たる25世紀を背景として、顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・フォイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる〈ヴォーガ〉復讐の物語が、ここに始まる……鬼才が放つ不朽の名作!

内容(「BOOK」データベースより)

ジョウントと呼ばれるテレポーテイションにより、世界は大きく変貌した。
一瞬のうちに、人びとが自由にどこへでも行けるようになったとき、それは富と窃盗、収奪と劫略、怖るべき惑星間戦争をもたらしたのだ!
この物情騒然たる25世紀を背景として、顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・フォイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる“ヴォーガ”復讐の物語が、ここに始まる…鬼才が放つ不朽の名作。

著者について

ベスター,アルフレッド

1913年ニューヨーク市マンハッタン生まれ。

1939年、短篇“The Broken Axiom”がスリリング・ワンダー誌のSFコンテスト第一席入選作となり、作家デビュー。
その後3年間、SFの短篇を発表するが、やがて『スーパーマン』をはじめとするコミックスの原作者、ラジオ、テレビのドラマの脚本家として活躍。
SF界に復帰したのは、ギャラクシイ誌に『破壊された男』を連載した1952年のこと。
この作品はスタージョンの『人間以上』、クラークの『幼年期の終り』をおさえて第1回ヒューゴー賞を受賞した。

1956年に発表された本書『虎よ、虎よ!』は、SFの長篇第2作にあたる。
その後旅行雑誌ホリデイのライターに転身するが、十数年の空白をおいてSF界にふたたび復帰。
『コンピュータ・コネクション』『ゴーレム100』などを発表するが、健康を害し、長い闘病生活ののち1987年、心臓病でこの世を去った。

中田耕治

1927年生、1953年明治大学文学部卒、作家・英米文学翻訳家
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

7位 『ユービック』 フィリップ・K・ディック (著), 浅倉 久志 (翻訳)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)





一九九二年、予知能力者狩りを行なうべく月に結集したジョー・チップら反予知能力者たちが、予知能力者側のテロにあった瞬間から、時間退行がはじまった。

あらゆるものが一九四〇年代へと逆もどりする時間退行。
だが、奇妙な現象を矯正するものがあった――それが、ユービックだ!

ディックが描く白昼夢の世界

8位 <ハイペリオン>四部作 ダン シモンズ (著), 酒井 昭伸 (翻訳)

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

時は二八世紀、人類社会の辺境に位置する惑星ハイペリオン――今まさに、この星にある謎の遺跡〈時間の墓標〉に封じられた、時を超越する怪物シュライクが解きはなたれようとしていた。

その謎を解明すべく送りだされた七人の巡礼者が、旅の途上で語る数奇な人生の物語とは……

内容(「BOOK」データベースより)

28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!
時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡―古来より辺境の惑星ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める“時間の墓標”が開きはじめたというのだ。

時を同じくして、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオンへ大挙侵攻を開始。
連邦は敵よりも早く“時間の墓標”の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが…。

ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞受賞作。

9位 <十二国記>シリーズ 小野 不由美 (著), 山田 章博 (イラスト)

月の影 影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)

「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。
男とはぐれ一人彷徨(さまよ)う陽子は、出会う者に裏切られ、異形(いぎょう)の獣には襲われる。

なぜ異邦(ここ)へ来たのか、戦わねばならないのか。
怒濤(どとう)のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸(ほとばし)る。

シリーズ本編となる衝撃の第一作。

内容(「BOOK」データベースより)

「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。
そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。
男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。

なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。
怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。

シリーズ本編となる衝撃の第一作。

著者について

小野不由美

大分県中津生れ。
大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に在籍。

「東京異聞」が1993(平成5)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、話題を呼ぶ。
2013年、『残穢』で山本周五郎賞受賞。

著書に『魔性の子』『月の影 影の海』などの<十二国記>シリーズ、<ゴーストハント>シリーズ、『屍鬼』『黒祠の島』『鬼談百景』『営繕かるかや怪異譚』などがある。

10位 『百億の昼と千億の夜』 光瀬 龍 (著)

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA)

西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……

プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?

――壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。

解説=押井守

内容(「BOOK」データベースより)

西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた…

プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?

―壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。

著者について

光瀬龍

1928年東京生まれ。
東京教育大学理学部卒業後、文学部哲学科に学ぶ。
1962年〈S-Fマガジン〉に発表した「晴の海1979年」で本格的作家デビュー。

『百億の昼と千億の夜』『喪われた都市の記録』などの長篇は、東洋的無常観を基調にした壮大なスケールの宇宙叙事詩として高い評価を得た。
また、歴史SF『征東都督府』、歴史小説『平家物語』、生物学の知識を活かしたエッセイ『ロン先生の虫眼鏡』など、幅広い分野に健筆を揮った。

1999年没。

11位 『火星年代記』 レイ ブラッドベリ (著), Ray Bradbury (原著), 小笠原 豊樹 (翻訳)

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)

人類は火星へ火星へと寄せ波のように押し寄せ、やがて地球人の村ができ、町ができ、哀れな火星人たちは、その廃墟からしだいに姿を消していった……

抒情と幻想の詩人が、オムニバス中・短篇によって紡ぎあげた、SF文学史上に燦然と輝く永遠の記念碑。

内容(「BOOK」データベースより)

火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。
火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。
つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。
それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せた。
やがて火星には地球人の町がつぎつぎに建設され、いっぽう火星人は…

幻想の魔術師が、火星を舞台にオムニバス短篇で抒情豊かに謳いあげたSF史上に燦然と輝く永遠の記念碑。
著者の序文と2短篇を新たに加えた新版登場。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ブラッドベリ,レイ

1920年、イリノイ州生まれ。
1947年に最初の短篇集『黒いカーニバル』が刊行された

小笠原豊樹

1932年生、詩人、ロシア文学研究家、英米文学翻訳家

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

12位 『地球の長い午後』 ブライアン W.オールディス (著), 伊藤 典夫 (翻訳)

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

13位 『時は準宝石の螺旋のように』 サミュエル・R・ディレーニ (著), 伊藤 典夫 (翻訳)

時は準宝石の螺旋のように (1979年) (サンリオSF文庫)

14位 <新しい太陽の書>五部作 岡部 宏之 (著), ジーン・ウルフ (著)





拷問者の影 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)

内容(「BOOK」データベースより)

遥かな未来、惑星ウールスの南半球を統治する強大な〈共和国〉。
その秩序に逆らう者は誰であれ〈拷問者組合〉によって容赦ない刑罰を施される掟になっていた。

組合の従弟セヴェリアンは、かつて、はからずも伝説的反逆者ヴォダルスの生命を救い、今またその一味の美女の自殺に手を貸すという大罪を犯して、組合を追放されてしまう。
名剣テルミヌス・エストを携え、壮大な冒険に旅立ったセヴェリアンを待つものは?

名匠ウルフが華麗かつエキゾティックな世界を見事に創りあげ、全SF・ファンタジイ界を熱狂させた傑作四部作〈新しい太陽の書〉は、ここにその幕を開ける!

世界幻想文学大賞受賞!

15位 『消滅の光輪』 眉村 卓 (著)

消滅の光輪 上

植民星ラクザーンでは、人類と瓜二つの穏和な先住民と、地球人入植者とが平和裡に共存し発展を謳歌していた。
だがその恒星系の太陽が、遠からず新星化する。

数年内に惑星のすべての住民を待避させよ――。
新任司政官マセ・PPKA4・ユキオはロボット官僚を率い、この空前ともいえる任務に着手するが。

緻密な設定のもと周到なオペレーションを描きあげ、《司政官》シリーズの最高作にして眉村本格SFの代表作と謳われる傑作巨編。

泉鏡花文学賞、星雲賞受賞作!

16位 『虐殺器官』 伊藤計劃 (著), redjuice (イラスト)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

9・11以降の“テロとの戦い”は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、 後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。

米軍大尉クラヴィス・シェパードは、 その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、 ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……
彼の目的とはいったいなにか?
大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?

現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション

内容(「BOOK」データベースより)

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。

米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…
彼の目的とはいったいなにか?
大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?

現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション。

著者について

伊藤計劃

1974年10月東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。
2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。同書は「ベストSF2007」「ゼロ年代ベストSF」第1位に輝いた。

2008年、人気ゲームのノベライズ『メタルギアソリッドガンズオブザパトリオット』に続き、オリジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。
第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞。

2009年3月没。享年34。

2011年、英訳版『ハーモニー』でフィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞した。

17位 『鼠と竜のゲーム』 コードウェイナー・スミス (著), 伊藤 典夫 (翻訳), 浅倉 久志 (翻訳) 『シェイヨルという名の星』 コードウェイナー スミス (著), Cordwainer Smith (原著), 伊藤 典夫 (翻訳)

鼠と竜のゲーム (ハヤカワ文庫 SF 471)

シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)

内容(「BOOK」データベースより)

第一級の犯罪者だけが送りこまれる、究極の流刑地シェイヨル。
この星でどんな苛酷な刑罰が実施されているのか、知る者はいない。
分かっているのはただひとつ、シェイヨルが“死”のない世界だということ。
つまり、受刑者の苦難は永遠に続くのだ…

表題作ほか下級民の反乱を率いた犬娘の悲哀を描く「クラウン・タウンの死婦人」など全四篇を収録。

現代SFきっての名匠が抒情ゆたかに綴る謎と魅惑に満ちた未来史の世界。

18位 『伝奇集』 J.L. ボルヘス (著), 鼓 直 (翻訳)

伝奇集 (岩波文庫)

夢と現実のあわいに浮び上がる「迷宮」としての世界を描いて現代文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九―一九八六).

われわれ人間の生とは,他者の夢見ている幻に過ぎないのではないかと疑う「円環の廃墟」,宇宙の隠喩である図書館の物語「バベルの図書館」など,東西古今の神話や哲学を題材として精緻に織りなされた魅惑の短篇集.

19位 『ストーカー』 アルカジイ ストルガツキー (著), ボリス ストルガツキー (著), 深見 弾 (翻訳)

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

何が起こるか予測のできない謎の領域、ゾーン。
地球を訪れ、地球人と接触することなく去っていった異星の超文明の痕跡である。
その研究が進められる中、ゾーンに不法侵入し、異星文明が残した物品を命がけで持ちだす者たち“ストーカー”が現われた。
その一人のレドリックが案内するゾーンの実体とは?
異星文明が来訪したその目的とは?

ロシアSFの巨星が迫力ある筆致で描く、ファースト・コンタクト・テーマの傑作

20位 『アラビアの夜の種族』 古川 日出男 (著)

アラビアの夜の種族 I (角川文庫)

聖遷暦一二一三年、偽りの平穏に満ちたカイロ。

訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫り来るナポレオン艦隊。
対抗する術計はただ一つ、極上の献上品「災厄の書」。
それは大いなる陰謀のはじまりだった。

内容(「BOOK」データベースより)

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。
迫り来るナポレオン艦隊、侵掠の凶兆に、迎え撃つ支配階級奴隷アイユーブの秘策はただひとつ、極上の献上品。
それは読む者を破滅に導き、歴史を覆す書物、『災厄の書』―。

アイユーブの術計は周到に準備される。
権力者を眩惑し滅ぼす奔放な空想。
物語は夜、密かにカイロの片隅で譚り書き綴られる。
「妖術師アーダムはほんとうに醜い男でございました…」。

驚異の物語、第一部。

著者について

古川日出男

1966年福島県生まれ。「13」でデビュー。

01年『アラビアの夜の種族』(第55回日本推理作家協会賞及び第23回日本SF大賞受賞)。





05年『ベルカ、吠えないのか?』(第133回直木賞候補)『LOVE』(第19回三島由紀夫賞受賞)

「沈黙/アビシニアン」「サウンドトラック」「gift」「ロックンロール七部作」など。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

まとめ

いかがでしたか?
興味の出た作品は、ありましたか?

アンケートで多数の選者から選ばれたものと違って、コアな3人が選んだものなので、他ではあまり選ばれない、マニア指数の高い高度なものが選ばれている感があります。

いきなり、ハードなものに挑戦するより、純文学好きなら、世界文学ベストでも選ばれて不思議のない、ボルヘスの『伝奇集』。
宇宙人って、火星人みたいなタコみたいなものだろという人には、知性のある海が出てくる『ソラリス』なんていかがでしょう?
映画にも2度なりましたが、ハリウッドの方は、全然別ものと考えた方がよいでしょう。
きっと、今まで味わった事のない、宇宙人とのファースト・コンタクトの感慨を得られるでしょう。

筒井康隆さんに興味があれば、『虚航船団』でしょうか。

『虎よ、虎よ!』や『ハイペリオン』、『火星年代記』、『地球の長い午後』、『虐殺器官』、『ストーカー』なんかは、他のオールタイム・ベストで選ばれても不思議じゃない作品です。
『ストーカー』は、ソ連(当時)の有名な監督タルコフスキーによって、映画化されているので、読み比べしても面白いと思います。
タルコフスキー監督は、芸術色の強い監督なのですが。

1位のグレッグ・イーガンは、有名なSF作家ですが、『万物理論』より、『宇宙消失』『順列都市』なんかの方が選ばれているように思います。
『万物理論』は、Amazonのレビューによると、著者の最高傑作とありますが。
短編集の『祈りの海』から入るという手もあります。
短編集ですが、この『祈りの海』も、オールタイム・ベストによく選ばれています。

TVゲームの「サイバーパンク2077」で再びサイバーパンクに脚光を集めていますが、ディック・ファンなら、これも別作品が選ばれる事が多いですが、『ユービック』でしょうか。
オーソドックスな選択なら、カルト人気映画「ブレードランナー」の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))』でしょうか。

僕もそれほどSFを読めていませんが、今少しずつ中古本の購入で収集しています。
また、読めてレビューを書いたらヨロシクです!

それでは。

(訂正とお詫び)

次なるSFオールタイム・ベストの記事に取り掛かったのですが、そこでは、『万物理論』もフィリップ・K・ディックの『ユービック』、<新しい太陽の書>も、ベスト20に選ばれていました。

よく確かめずに書いてしまい、すみませんでした。

 

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