「愛国者は信用できるか」鈴木邦男


僕は日本の歴史が好きで、そこから学んだ者として、日本の歴史を愛するようになった。
そんな僕は愛国心があると自分では思っている。

昨今、愛国心ばやりである。
そういう時期だから「君は日本を愛するか。」みたいなことを聞かれる事もあるが、そういう時、僕は「愛国心がある。」ときっぱり答える。


しかし、どうであろう自民党の新しい憲法の草案には「愛国心を育てる態度」が盛り込まれ、安倍官房長官(当時)などは「自分を愛せないものが他人を愛せないように、自分の国を愛せないのはおかしい。」みたいなことを言っているが、果たしてそうであろうか。他人に愛される事をきっかけに自分を大切にする人だっているだろう。

また、為政者である政権政党の政治家が、国民に"愛国心”を喚起し、なかば強制する態度は、いかがなものだろうか?

本書「愛国者は信用できるか」鈴木邦男著にあるように"愛国心”とは一方的な愛であり、自分は国を愛するが国から自分を愛される事はない、本書にあるように"恋”のようなものではなかろうか。

愛国者は信用できるか
愛国者は信用できるか
鈴木 邦男
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著者の鈴木邦男氏は、「朝まで生テレビ」に時折、出演しているのでご存知の方もいるだろうが新右翼であり、学生時代より右翼・民族運動に飛び込み「一水会」を創設した人でもあり、街頭宣伝もやり逮捕歴もある。

そんな著者が、昨今の日本社会の意識の変化にとまどいながら、"愛国心”について考察した書である。
新右翼の思想的根拠である三島由紀夫氏に大きくページを割きながら。

鈴木邦男氏は「俺は愛国心があるのだから、何をやっても許される。」みたいな右翼に手厳しい。同時に左翼陣営にいる人たちに時に共感を示したりする。

また、高校、中学で行われている「君が代、日の丸」強制にも、それでは「君が代、日の丸」が尊重されなくなるという立場から反対である。
また、女帝にも理解を示している。

その他、本書には愛国心争奪の歴史、三島が考えた憂国、「君が代、日の丸」との自分の歴史、天皇制について触れられている。

非常に平易な言葉で書かれた書です。"愛国心”が取りざたされる今、「愛国者コンテストがあれば軽く優勝できる」という鈴木邦男氏の言葉に耳を傾けるべきではなかろうか。

僕は、以前、新聞の投書に見られた「日の丸は、侵略された国の人々に敵意を喚起する、また、日の丸は戦争の歴史によって汚されているので、新しい国旗を創設するべきだ。」という意見について、どう考えていいか解らなかった。





しかしながら、鈴木邦男氏の「新しい旗や歌になったら、過去の日本と画然と断絶する。あの戦争を闘った日の丸・君が代は自分たちと関係ない。(中略)そうしたら、過去の日本人と関係なくなり、<責任>もすべて免除される。それではまずいだろう。」という意見を読み、自分の立場がはっきりした。

"愛国心”とは鈴木邦男氏の言うように、小声でそっと言うべき言葉ではなかろうか。

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