週刊文春、２００６ミステリーベスト１０国内部門

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今年もベスト10の季節がやってきました。
この手の一番、歴史がある週刊文春のベスト１０はいかに。
まずは、国内部門から。

１．名もなき毒　宮部みゆき　　点数　１６７

名もなき毒
宮部みゆき
注）購入を検討の方は、画像をクリックしてください。

自分勝手な原田いずみという女性を通して日常に潜む小さな『毒』が『犯罪』にまで育っていく姿を描いた宮部みゆき、久々の現代ミステリー。
この「名も泣き毒」は、長編「誰か」に続く三年ぶりのシリーズ第２弾でもある。

２．狼花　大沢在昌　　点数　１１１

狼花新宿鮫IX
大沢在昌

ご存知、新宿鮫シリーズ第９弾。
外国犯罪と暴力団。新たな脅威に挑む警視庁の秘策に新宿鮫・鮫島が巻き込まれていくシリーズの転換点となると評者の評判もすこぶるいい作品。

３．チーム・バチスタの栄光　海堂尊　　点数　９４

チーム・バチスタの栄光
海堂尊

東城大学医学部付属病院のバチスタ手術のスター医師・桐生教授の立て続けに３例の手術の失敗に、神経内科医と厚生労働省の官僚が挑む。
医学的裏づけのもと、この２人の変人探偵の取り合わせが笑いを誘うという現役医師が描くリアルでコミカルな作品。

４．赤い指　東野圭吾　　点数　９２

赤い指
東野圭吾

照明器具メーカーに勤める前原昭夫のもとに、妻・八重子から至急、家に帰ってほしいという取り乱した電話が・・・。
家に帰った昭夫に八重子は、中学３年生の息子・直巳が少女を家で殺したという。
認知症の問題を扱った作品であるが、僕に言わせれば皮相的で、ラストに用意された”お約束”の感動も形だけだと思うのだが・・・
僕のレビュー記事はコチラ本が好き・・・ | 直木賞受賞後に、なんでこんな小説、発表したか分からない東野圭吾「赤い指」

５．一応の推定　広川純　　点数　５８

一応の推定
広川純

保険調査員・村越努を主人公にした一つの謎を多角的に検証し、解決に導く波瀾な人間ドラマを描いた全選考委員の賞賛を集めた第１３回松本清張賞受賞作。

５．乱鴉の島　有栖川有栖　　点数　５８

乱鴉の島
有栖川有栖

孤島を舞台に、いわくわりげな登場人物が登場し、そこに殺人事件が、毎年のベスト１０常連の有栖川有栖が、織りなす本格ミステリーの快作。

７.独白するユニバーサル横メルカトル　　点数　５２

独白するユニバーサル横メルカトル
平山夢明

徹底したグロテスク趣味を強烈な描写で描く８編から成るホラー短編集。
その強烈な描写は、評者も折り紙付き。

８.邪魅の雫　京極夏彦　　点数　５０

邪魅の雫
京極夏彦

こちらもベスト１０の常連、京極夏彦による、一見、無関係に見える毒殺連続事件を、圧倒的な解決編で鮮やかに物語を閉じる長編ミステリー。

９．Ｏｐ．ローズダスト　福井晴敏　　点数　４９

Op.ローズダスト(上)
福井晴敏

“この国の状況”に裏切られ、手ひどい仕打ちを受けた入江一功らが、“ローズダスト”を名乗り、日本にテロリストとして帰ってきた。
立ち向かうは、かつて入江一功らと行動を共にした自衛隊三等陸曹の丹原朋希と公安４課で不遇を囲い、“ハムの脂身”と揶揄されている並河次郎。
果たして彼らは、日本を救えるのか、入江一功ら”ローズラスト”らの真の目的は・・・。
福井晴敏が、軍艦ではなく最新鋭兵器を扱った意欲作。
個人的には、これがベスト１だと思うのだがなあ・・・
僕のレビュー記事はコチラ本が好き・・・ | 今年Ｎｏ．１は間違いなし！！　福井晴敏　「Op.ローズダスト」

１０．シャドウ　道尾秀介　　点数　４４

シャドウ
道尾秀介