横山秀夫「震度0」の紹介


<ストーリー紹介>
阪神大震災が起こった同日、震災地から遠く離れたN県警の“組織の「へそ」であり、扇の要”である不破警務課長が失踪した。
このN県警を襲った激震を長官を目指すキャリアのエリートの冬木警務部長は、何とか穏便にことを済ませようとするが・・・。
震度0
震度0
横山 秀夫


不破の車が不破が以前、署長を勤めていた東部署管内で見つかり、不破が署長時代に県議選において手掛けた保守系現職陣営への選挙違反の市議の逮捕の背後にうさんくささを感じた地元ノンキャリアの刑事部長の藤巻は、この情報を幹部会議に挙げず、独自に捜査し、この失踪事件の捜査の主導権を握ろうとする。

一方、冬木警務部長は不破の奥さんへの事情聴取から不破に“女の影”を感じ取り、その線で捜査を推し進めようとするが刑事部がつかんでいる情報が気になって仕方がない。





幹部会議を取り仕切るキャリアの椎野本部長がなにやら不破に弱みを握られているようで会議上での言動や指示がおかしく冬木警務部長とキャリア同士、反目する。

事態は、自らの出世欲めらめらのノンキャリアの間宮交通部長、仕事上の姿とかけ離れた女にだらしない姿を持つノンキャリアのノンキャリアの倉本生活安全部長、椎野本部長、冬木警務部長、藤巻刑事部長入り乱れて、それぞれの奥さんも巻き込んで情報戦となる。





はたして、長官を目指す冬木警務部長はこのN県警にとって“激震”の事態を“震度0”に抑えて自らのキャリアに傷となるような事態を避ける事ができるだろうか・・・・・。

<感想>
この情報戦が非常に面白く最後まで目が離せません。
ラストには、それまでつかんだ情報をうまく"落としどころ”に落としており、エンターテイメント小説としては非常によく出来ているのではないでしょうか。

トグサ的評価:★★★星半分☆





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  1. 震度0  (横山秀夫)

     県警幹部の一人が大震災の朝に失踪。 幹部達の内部抗争。人間模様のミステリー。 登場人物の名前、人間関係が複雑で、最初は読みづらいこともありましたが、名前と職務が徐々に理解できてからは 面白くなってきました。  もつれた人間関係、機能不全

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