昨年度週刊文春ベスト1に輝いた雫井脩介「犯人に告ぐ」


犯人に告ぐ
犯人に告ぐ
雫井 脩介

雫井脩介さんの作品は、読んでないのですが雑誌「TVタロウ」で傑作だと紹介されており、手にとって読んでみました。
なるほど読み出したら止まらないノンストップ型の小説でした。






~簡単な荒筋~

ある誘拐事件を任された巻島は、犯人逮捕に失敗します。その事を記者発表している席で巻島は記者たちに詰め寄られ、開き直った態度で失言します。その事で巻島は地方に左遷させられてしまいます。
数年後、また誘拐事件が起こり、巻島が地方から呼び寄せられ責任を任されます。この数年の間に巻島は誘拐事件の被害者たちの所へ行き、被害者たちとよく話し、気持ちを理解し、人間的に大きく成長していました。
事件は中々解決せず、巻島は大きな手段に訴えかける事を提案しました。それは、あるテレビ番組を通して公開捜査をするというものでした。そして、巻島もその番組に出演するというものでした。この提案が了承され、実行されます。今で言う「テレビの力」みたいなもので捜査情報が本物で、本物の刑事が出演すると考えてもらった方が早いでしょう。ただ、違うのは巻島が担当するコーナーは、ある人気ニュース番組の1コーナーだと言う事でしょうか。ここら当たりから「犯人に告ぐ」と言う題名が生まれたものと思われます。捜査は公開されたにもかかわらず、別のニュース番組に情報をリークする上司の存在や寄せられた情報もがさネタが多く、進展しませんでした。

ラスト近く巻島は大きな賭けをします。その内容は皆さんの目で確かめてください。





~荒筋終わり~

読後の感想ですが、先が気になるのは確かで、テーマや人物像も今日的なのですが、その人物像なり内容が浅いと言う印象は否めませんでした。





評価:★★★☆☆

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