お子さんへのクリスマス・プレゼントにディケンズの『クリスマス・キャロル』を


僕は、子供の頃、親から毎年、誕生日プレゼントなんかに絵本や本をプレゼントされていました。
そのために、本好きとなりました。
最初は、ぐりとぐらでした。

今の時代、絵本とかは売れているらしいですが、小中高生に本をプレゼントとする親がどれくらいいるのか分かりませんが、クリスマスにピッタリな心あたたまる小説を紹介します。

それは、ずばりディケンズのクリスマス・キャロル (岩波少年文庫)
です。
クリスマスに「メリー・クリスマス」と声を掛け合ったり、贈り物をしたりする習慣は、この作品の出版がきっかけらしいです。

成人の方は、最近話題の光文社古典新訳文庫岩波版新潮版で。
英語で読みたいという方は、コチラ





<あらすじ>
クリスマス・イヴの日、強欲で冷酷な人間嫌いな守銭奴の老人スクルージ(Scrooge)は、身を切るようなさむ日であるというのに、ろくに事務所の石炭を燃やそうともしない。甥であるフレッド(Fred)から「クリスマス、おめでとう」と声を掛けれても相手にせず、クリスマスの日に晩餐に招待しても、冷たく追い返してしまい、帳簿の整理をする。
そして貧しさに苦しむ人達のために寄付を事務所にお願いしに来た紳士も追い返してしまう。

霧が深く立ちこめ寒さの厳しいその夜、7年前のクリスマス・イブに死んだはずの共同経営者であったマーレイ(Marley)の幽霊が、重い鎖を引きずってスクルージの前に現れた。

このマーレイの幽霊は慈善・寛容・博愛の精神を忘れて狭い事務所の部屋で金銭勘定のみするという生前の強欲が祟って、1年のうちのこの時期にもっとも悩み苦しむのだと語り、スクルージが自分のような運命におちいることを免れるチャンスも望みも、まだあるのだという事を告げるために現れたという。
そして3人の精霊が現れ、その救済の道を示すだろうと告げると、窓から外へ消えていった・・・・

時計が1時を打つと、第一の精である「過去のクリスマスの精霊」が現れ、希望や喜び、悲しみが結びついているさびしいスクルージの少年時代の情景を見せる。小僧として勤めていた商店の善良な主人が催してくれたクリスマス・パーティを思い出し、昔に戻って陽気に騒ぐ。
そして、金のために捨てた恋人の自分の姿を見せられ、後悔の念に襲われる。

続いて第二の精霊である「現在のクリスマスの精霊」が現れ、スクルージが安月給でこき使っている書記のボブ・クラチット(Bob Crachit)一家の貧しいながらも楽しいクリスマスの祝いの模様を見せ、スクルージの甥や姪の家の賑やかで楽しい祝宴の場に連れて行く。





最後に「未来のクリスマスの精霊」は、付添者も嘆き悲しむ者もいない誰にも愛されなかった横たわっている老人の姿を見せた。
彼は、ぼろぼろの敷布の下にに覆われて毛布や身の回りの品を略奪され、死んでいた。
スクルージは、この不幸な男は誰なのかと考えるが、精霊が指差す荒れ放題の墓の上には、スクルージ自身の名が刻まれていた。

そして、スクルージは、3人の精霊に教えられた教訓は生涯忘れませんと誓う。

改心し、生まれ変わったスクルージは、翌日のクリスマスの朝には、すっかり人が変わり、こき使っていた書記・ボブ・クラチットの家にクリスマス・プレゼントとして大きな七面鳥を贈り、寄付を募ってきた老紳士に出会うと寄付を申し出る。
そして昨日、すげなく断った甥の招待に快く応じ、家の晩餐に加わり、みなとともにクリスマスを楽しんだ。
翌日にはボブ・クラチットに昇給を告げるのだった。

[名句]‘God bless us every one!’said Tiny Tim,the last of all
「みんなに神様の祝福がありますように!」とティム坊やが最後に言った。






解説
ディケンズは『クリスマス物語』(Christmas Books)と呼ばれる一連の物語を書いたが、この作品は、その第一作であり1843年に出版された。
これ以後ディケンズは毎年クリスマス物語を1編ずつ書く事に決め『鐘の音』(The Cimes,1844)、『炉ばたのコオロギ』(The Cricket on the Hearth,1845)、『人生の戦い』(The Battle of Life,1846)、『幽霊に悩まされる男』(The Haunted Man,1848)を次々書いたが、この『クリスマス・キャロル』が最も多く愛読されており、ディケンズの名を世界的にしたのだった。

イギリス文学案内』 朝日出版社より

岩波

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0 comments Add yours
  1. お久しぶりです。
    いや、ぐりとぐら!なんて懐かしい。
    大きな卵焼きの本だけうちにありました。

  2. キナコさん、お久し振りです。
    まだ、うちにあるのですネ^^
    なんだか嬉しいです。
    僕のは、沢山あったようなのですが、誰かにあげたみたいです^^;
    Amazonで見つけたときは、なんだか嬉しかったです^^

  3. グリム童話だとか、ポピュラーなものは在りましたね。
    お下がり的で、ただ置いてある感じでしたけど。
    また来てくださいね◎
    頑張って更新してますので(笑

  4. 返事、遅くなりすいません。
    大人の童話とかもあるらしいですね。
    少ししか見てませんが、デザイン、変えたようですネ。
    今、バタバタしてるので、また、じっくり拝見させてもらいます。

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